最近急増!池袋の風俗店の詐欺・ぼったくり。キャッチ(客引き)に注意!!
最近、池袋でキャッチに勧誘され、風俗店で詐欺まがい被害やぼったくりにあったという相談がとても増えています。
けっこう手が込んでいるので今回は、この風俗詐欺の手口についてストーリー仕立てで書いて、解説を加えてみたいと思います。
ストーリーとしては、だいたい次のような流れが典型です。
地方からの出張で繁華街に出ていたら、愛想のいいキャッチ(客引き)につかまり、開放感も手伝いうっかり話を聞いた。
すると、「うちで紹介するデリヘルはキャッシュバックがある」、「AV女優が在籍している」、「本番ができる」・・・など美味しそうな話が次々と。
そうして甘いトークにまどわされ、あとで半額キャッシュバックされるという話を信じてしまい、4万円を払ってホテルで待機することに・・・
15分くらい待って紹介されたデリヘルから女の子が到着。
「お客さん。前金で2万円です。」
「は?さっき客引きの人に4万円払ったよ」
と少し動揺しながら抗議。
すると女いわく、
「お客さん。うちは客引き業者とはつきあってないです。その男の人と店は関係がない。うちの店が名前を勝手に使われたのかも。」
キャッチにだまされたのか、もしかしたらグルなのか・・・色々な考えが頭をかけめぐるが、とりあえずそう言われたら、どうしようもない。
そこに女がたたみかける。
「お客さん。お店には内緒だけど、あと1万円追加してくれたら本番してもいいよ。ぜんぶで3万円になるけどある?」
ここで帰ればいいのだが、悲しいかな、期待感いっぱいで待っていたため欲情を打ち消すことができず、うさんくさいと感じつつ、結局3万円を払ってサービスを受けることに・・・
(しかし、本当のトラブルはここから)
終了時間になって、男性スタッフが女性を迎えに来た。
男性スタッフはドアから部屋をながめるとゴミ箱に近づき、コンドームを指差して女性に言った。
「おい、本番やったのか!?あれほど禁止だと言っただろ!」
女性はすいませんという顔をしてうなだれている。(うさんくさい。)
それから、男性スタッフはこちらに向かって言った。
「お客さん。女性もお客さんも違反行為として罰金を支払っていただかないといけません。お店のホームページにも50万円と書いてありますので。」
(えっ!?そんな、50万円なんて!?)
「うちとしても警察をよんで、おおごとにするのも面倒なんで、できれば穏便に収めたいと思います。今日のところは、とりあえず免許証を預かりますから、この示談書にサインしてください。」
(こんなもんサインできるか)と心のなかでさけびつつ、不安と恐怖からその場を早く逃れたいという思いで、不覚にも言われるまま免許証を預け、念書・誓約書にサインしてしまった・・・・・・
こうしてAV女優、キャッシュバック、本番可という巧妙なトークに騙され、結局、キャッチと風俗店とで計7万円を払ったあげく、さらに50万円を罰金として請求されるはめになった。
・・・・・・
いかがでしたでしょうか。
最近、池袋北口や西口界隈でこうしたご相談が大変多くなっています。
もともとぼったくりといえば新宿歌舞伎町でしたが、最近では池袋の方が多い印象もあります。
けっこう手が込んでいるので、こういう目にはじめてあったお客は何がなんだからわからない状態になるでしょう。
それでは、対策など細かく見て行きましょう。
やはり詐欺でしょうか?はめられたのでしょうか?
このケースに限っていえば、詐欺の疑いが強いです。
キャッチ(客引き)と風俗店は仲間、女性もあらかじめ打ち合わせに従ってやっていると思われます。
同じようなパターンの話が相談で増えていますから、あらかじめ計画されたストーリーと考えていいでしょう。(振り込め詐欺と同じで、その時々で流行りのストーリー、くりかえされるストーリーがあります。)
風営法違反や詐欺罪は?
それでは、相手を何らかの法律違反を問うことはできないでしょうか。
まず、風俗営業店がキャッチ、客引き行為をするのは風俗営業法違反となりますが、このケースではキャッチ(客引き)が仲介業者ということになっていますので、尻尾を掴むのは大変です。
一方、本番行為ができるという勧誘がある場合は、客引き行為は各県の迷惑防止条例で検挙される可能性があります。(東京の場合は東京都迷惑防止条例参照)
しかし、その場合でも、たいてい詐欺だと気づいたときにはキャッチはどこかにいってしまって警察が即座に介入できるケースは滅多にないというのが実情です。(一定数の被害報告がたまっていれば、マークしていずれ検挙ということはありうるでしょうが。)
では詐欺罪はどうでしょうか?
やはりこれも言い逃れされてしまいます。
店は「キャッチとうちは関係ない」としらを切ります。
また、女性が店と打ち合わせていたとしても、その証拠はありません。
逆に、客の方は、下手をすると女性から「この客に無理やりやられた」などと、でたらめを言われるのではないかという不安があります。
その場でとっさに110番する人もおられますが、地域係のおまわりさんは、暴力沙汰でなければ、示談なので話し合って下さいといって帰ってしまうことがほとんどです。
ならばどうするか。
冷静に考えれば、キャッチに払ったお金はまず返ってきません。
これは勉強代と思ったほうがいいでしょう。
あとは店が請求する罰金(示談金)の支払いを断固拒否するか、やむなく支払って示談書を取っておくかの選択になります。
ここを真剣に考えるのが、今後の人生にとって大切なところです。
示談すべきかどうかと示談書について
1、示談したほうがいいか、お金を払ってもだいじょうぶか
会社の出張で来たという方の場合、会社にバレたらどうしようという心理も働き、あまりことを大きくしたくないとう気持ちが強く働きます。
会社の連絡先を相手の用意した念書や誓約書に書かされてしまったというケースは少なくなくありません。
そうした場合、やむをえず示談金を払って念書・誓約書、免許書のコピーを返してもらおうという方は当方の実感で半数以上おられます。
実際、勤務先の会社に
「〇〇さん、いますか?」
などとしつこく電話をかけられたというケースもあるので、無視するのもけっこうなプレッシャーになるのです。
さて、損害賠償義務がなくても、早く問題を終わらせるために「解決金」として金銭を払って示談することは、じつは男女関係のトラブルではよくあります。
わかりやすい例が電車の痴漢を疑われたときの示談です。
痴漢を認めていない場合でも、会社をクビになる不利益を回避するため、解決金と称して慰謝料ではないけれど、金銭を払って示談するという方法です。
痴漢行為を認めないのに示談書を作る!?・・・一般の人が聞いたらとてもへんてこりんな話に思えますね。
しかし、実務では実際にある話です。
同じように、風俗店のトラブルでも、「損害賠償義務がないけど面倒な相手に早く引き取ってもらう目的で示談書を作る」ことはあります。
ですから、免許証や念書をもどしてもらうために、新しいちゃんとした示談書を作って、お金(解決金)を払うというのは、状況によって意味のある選択です。
示談書手続きするとき、相手の風俗営業届けを確認したり相手の身分証を確認したりする大義名分ができます。
これをきっちりやることで、対等の立場となり示談金を払ったあとの心配がなくなります。
示談書を作成することで、念書や免許証(のコピー)も取り戻せることがほとんどですから、夜も寝られないという状況からも抜け出すことができます。
2、二度とぼったくりや詐欺に合わないために示談書をどうするか
しかし、示談金(店のいう罰金)を払って、それで終わるのかという心配がまだ残ります。
店がお金を払う際に、示談書を渡すといっているが、その内容は信頼できるものなのかという不安もあろうかと思います。
実際のところ、当方が過去に相談者に見せてもらった店が作成したという示談書で、店の名前や責任者が全く書かれていないなど、とても示談書とは呼べないようなシロモノも少なくありませんでした。
したがって、早期解決のためやむなく示談するとしても、相手の用意した示談書にそのままサインするのは絶対にやめた方がいいと言えます。
もし、やむなく示談金を払うのであれば、次のポイントが重要です。
- 示談書に店の名前が入っていること
- 示談書のサイン欄に、店の名前、責任者の役職、サインが入っていること
- 責任者の身分証か風俗営業届けを確認すること
- 可能なかぎり、店の風俗営業届けの提示を求めること
- 今後、連絡、接触をしないという条文が入っていること
- 今後、いかなる請求もしないという主旨の条文(精算条項)が入っていること
など
しかし、ここの作業は一般の方にはハードルが高いでしょう。
できれば、やはりわれわれのような士業に示談書作成手続きを任せることをお勧めします。
第三者が入ることで相手は警戒して慎重になります。
また、相手に対して釘を刺す効果もありますので、ゆすりたかりを受けたり、会社に電話されたりすることもなくなります。
とくにデリヘルのような風俗店とのトラブルでは、普段の社会生活では想定できないことが頻繁にありますので、できるかぎり専門家に任せるべきです。
ちなみに、当事務所では、このような示談書作成の相談を多数受けておりますので、悩んでおられるかたは、まずは下記の無料相談を活用してみてください。
追記 2019年1月31日
最近プリペイドカードで送金させる振り込め詐欺がはやっているようですが、デリヘルの本番トラブルで、プリペイドカードで送金を指示されたという相談がちらほら増えています。
プリペードカードは受け取った人が誰か証明できませんので、詐欺の可能性が高いです。
仮にデリヘルで本番行為をした心当たりがあっても、示談書もなく支払わないように注意してください。
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