キャバクラ男性従業員の風紀違反と罰金

キャバクラなど水商売では、風紀違反の罰金はおきてらしいが・・・

キャバクラのボーイとキャストができてしまうことを風紀違反と言いますが、ほとんどの店ではこの風紀に罰金を規則にしています。



入店する際、誓約書、念書を書かされたり、契約書に罰金ルールが書かれていたりするのが一般的で、実際に風紀違反が発覚したときは、50万円、100万円といった高額な罰金を要求されます。

 

ちなみに、ほとんどが男性従業員のみが罰金を要求されますが、なかには交際しているボーイとキャスト両方に要求する店もあるようです。

 

法律上問題がありますが、水商売の業界では業界全体のおきてのようになっています。

 

 

なぜ、キャバクラなどの水商売は風紀にうるさいのか

では、なぜどこの店にもこのような、法外な風紀違反の罰金をルール化しているのでしょう・・・

キャバクラはいうまでもなく、質の高いキャストを多く集め、いかにやる気を出させるかが売り上げに大きく影響する商売です。

そして、どの店もキャスト同士の競争がありますが、女性同士のいじめもあれば、足の引っ張り合いもあります。

 

つまり、少しでもひいきがあると思わると、人間関係がとてもややこしくなりやすい土壌がそこにあるわけです。

そんなところでボーイとキャストができたりすると、やはり店の運営がうまくいかなくなります。

店としては、職場の雰囲気が悪化して、人気のあるキャストに辞められたら大変です。

風紀の相手の女性が人気のキャバ嬢であれば、風紀をしたボーイを絶対に許さないということになってきます。

というわけで、お店は従業員同士の交際、恋愛を禁止し、風紀違反は罰金50万、100万円という、法外で厳しいルールをつくるのです。

 

 

法律的には、キャバクラの風紀罰金はどうなのか

結論からいえば、

 

風紀の罰金50万円、100万円といったルールそのものは違法です。

 

風紀罰金の額が書かれた書類があっても、そんなものは無効で支払い義務はありません!!

 

以下、細かくみていきましょう。

 

 

労働基準法は、罰金〇〇万円というように、あらかじめ違反したときの額を規則にすることは禁止している

労働基準法第16条は、あらかじめ「風紀をしたら罰金として、〇〇万円を払う」といった契約や規則をつくることを禁止しています。

 

キャバクラのような商売では風紀禁止と罰金は、業界のおきてですね。

 

しかし、裁判になったらそれは法的に認められることはありません。

 

 

入店時に風紀罰金の書かれている誓約書、契約書にサインしてしまった場合は?

キャバクラのような夜の世界では、仕事をはじめるとき、たいてい面接で、風紀違反は罰金50万円、100万円と書かれた誓約書や契約書にサインさせられています。

また、そういう就業規則を作っていたりします。


しかし、前述のとおり、こういうものは労働基準法16条違反の規則なので違法です。

 

そして、こういったものに労働者のサインがあったとしても無効です。(13条)

 

 

こんな場合はどうなる?店長の脅迫やヤクザが怖い!?

「法律のことなんかはネットでわかってるんだけど、キャバクラって怖いイメージがあるじゃないですか!

ヤクザが関係してるとか!!

そのあたりをふまえて、どうすればいいかを聞きたいんです!」

こんな声が聞こえてきそうですね。

ここからの方が皆さんの知りたい内容かもしれません。

それでは、もう少し掘り下げてみたいと思います。

 

罰金を払い終わるまで辞めさせない

まず、罰金を払うまで辞めさせないというやり方は、風俗営業法18条の2で禁止されています。

 

キャバクラは風俗営業許可を受けて営業している業種です。

違反が発覚すれば、厳しい行政の処分や刑事罰を受ける可能性があります。

店が何をやってもおとがめはないということはないですから、それがわかれば少し道筋がみえてきますね。

 

安心しましょう。

 

給料から罰金が天引きされてタダ働き

風紀違反についてスタッフに損害賠償請求したり減給でペナルティを課したりすること自体は違法ではありません。

ただ、高すぎると無効になります。
  

ペナルティとして減給する場合、1回分が日給の半額、月の総額が月給の10パーセントこえることは労働基準法91条違反となります。
しかし、ほとんどのキャバクラは、これを守っていません。

さて、給料を天引きしてタダ働き同然に働かせている・・・ここまでくるとかなり重大な違反になります。

脅迫などを伴えば、労働基準法5条違反になります。

これは、懲役刑もある労働法では一番重い罪です。

 

これで検挙され、営業許可をとりけされる風俗営業店は実際にあります。(キャバクラも風俗営業許可を受けて営業していますので、広い意味で、風俗営業店です。)

 

 

飛んだらとことん詰めると脅されている

キャバクラはヤクザと関係があるといって怖がる人がいますが、何度もいうようにキャバクラは、風俗営業許可を受けて営業しています。

ちなみにこの営業許可は、警察に申請して審査を受けて公安委員会から許可証が届きます。

 

今は暴力団排除に厳しくなってる時代です。

もし、本当にヤクザと関係があるとわかったら、そのキャバクラは営業許可を取り消されるでしょう。

それにヤクザが関係しているキャバクラがあるとしても一部です。

仮に、裏のオーナーがいてそれがヤクザだとしても、表に出てくることはありません。

そういう店は、オーナーが表に出てこれないから裏のオーナーといわれるのです。

 

いずれにしても店にとってダメージになりますから、引き抜き行為など、あからさまに店に喧嘩を売るようなことをしてないかぎり、わざわざ危険を犯して暴力団が従業員を追いつめるようなことは、そうそうあるものではありません。

もし、あれば警察に検挙され、店の営業許可も取り消されるでしょう。

 

 

100万円払うという示談書や借用書を書かされた

店長やオーナーが暴力や脅迫をつかって、従業員に風紀罰金を支払わせる目的で示談書や借用書を書かせれば、恐喝罪や強要罪になります。

しかし、相手のほうも、あからさまに脅迫したり暴力をつかったりというバカな真似はしません。

 

無言の圧力で追いつめて示談書や借用書にサインさせようとします。

そして、たいていの人は圧力に抵抗できずサインしてしまいます。

そういう場合は、できるだけ早く内容証明郵便で取り消しを表明しましょう。

ほったらかしにすると、裁判で有効と判断される恐れがあるかです。

 

ところで、なぜ、内容証明郵便を使うのかといえば、基本的には「暴力や脅迫があれば法律上、示談書や借用書にサインさせられても、それを理由に取り消せる」のですが、・・・実際は、ほとんどの場合、証拠が残っておらず、裁判では暴力や脅迫を証明できないということがおこるからです。

 

そのために内容証明郵便に書き込んでおき、少しでも証拠を残しておく必要があるのです。

 

 

風紀罰金を払わずにキャバクラを辞めるには?

「だいたい法律的に違法というはわかった。で、けっきょく具体的に、どうすればいいんですか?」

 

もうあと少しだけお付き合いください。

それでは、一番肝心なところをまとめて終わりたいと思います。

 

警察や弁護士に頼めない!?

警察にいったら民事だから動けないといわれてあしらわれた・・・多分こういう方は多いでしょう。

もし殴られて怪我をさせられていれば、傷害罪になりますから対応は違うでしょう。

しかし、それ以外の場合は、取り合ってもらえないことがほとんどです。

とくに示談書や借用書があると、なおさら「民事だから」と言われます。

また、弁護士に依頼するにしても、弁護士費用の方が罰金より高ければ頼むのもちゅうちょしてしまいますね。

 

内容証明郵便で取り消しを通知しておく。

しかし・・・「こんな大金払うなんて納得できない!」・・・あなたは心の奥でそう思っているのではないでしょうか。

 

何かにサインさせられてしまったとしても、あきらめるのはまだ早いです!


もし、あなたが風紀をしたとき、店長や幹部の圧力で、法外な額が書かれた示談書や借用書にサインさせられてしまった場合は、できるだけはやく内容証明郵便で取り消しを表明しておきましょう。

 

辞めさせてもらえない場合は、退職の表明も入れて文書を作ります。

これは行政書士に出してもらえば、書類作成の手数料だけですみます。

内容証明郵便には、次のようなことを書きます。

  • 風紀違反と罰金を言われた経緯
  • 借用書や示談書のサインは自分の本心によるものではない、脅迫や暴力で抵抗できなかった
  • 風紀罰金の規則は、無効で、支払い義務はない
  • 脅しや暴力の具体的内容
  • 辞めさせてもらえない場合は、退職する意思表明


これらを書いて出せば、店の方も、うかつに自宅に怒鳴り込んだり、出勤を強制したりできません。

これでもやってしまう人は、逮捕されてもおかしくないレベルです。

なお、借用書を書かされている場合、俗にいう「とぶ」ということをしたら、1年くらいしてから裁判所から支払督促がくる可能性もあります。

 

自分に不利なものを書かされてしまったときは、ほったらかしにせず、間髪を入れずに対策しましょう。

 

 

追記

2017年11月、茨城県水戸警察で、傷害と監禁の容疑で、風俗店経営者らを逮捕したというニュースがありました。

ニュースによると、男性従業員とキャストの交際(風紀違反)をめぐって、男性従業員に全治2ヶ月の怪我を負わせたそうです。

さすがにここまでくると、やりすぎですね。

ただ、こういうことは、非常にレアケースです。

 

☆風紀違反に傷害 経営者と店長逮捕

 



キャバクラトラブル 電話無料相談

無料相談はこちらから

TEL 090−1840−3541 
行政書士 江川雄一

 (電話にでられないときは、確認しだい折り返しておりますが、ショートメールで「キャバクラトラブル」といれて送って頂けた方は、優先的に折り返し致します。

 

《暴力団等排除対策委員会による不当要求防止責任者講習受講済み》

行政書士 江川雄一事務所 
東京都豊島区目白4-31-11−101 

新宿、渋谷、池袋などで面談可。

遠方の出張はご相談下さい。相談は全国対応。

名古屋、大阪、神戸、広島、福岡、仙台、青森などでの受任実績もあります。


TEL 03-6915-3854(キャバクラトラブルの無料相談は上の携帯番号へお願い致します)

 

キャバクラトラブル メール無料相談

携帯電話から送信される方は、返信してもエラーになるときがありますので、できるだけ携帯電話番号も記入されることをおすすめします。

メモ: * は入力必須項目です