キャバクラなどの接客飲食店、デリヘルなどの性風俗店は、ほとんどの店で店内での恋愛、交際を禁止しています。違反した場合は罰金50万円、違反金100万円などと書いた誓約書や契約書を入店時に書かせる店も少なくありません。
実際問題、このくらいやっておかないと、店の管理ができなくなってしまうという経営者側の考えもあります。しかし、労働契約上は無効な罰金であり、実際に違反があったからといって罰金を脅して徴収すると、恐喝罪で経営者が逮捕される可能性があります。罰金ルールがあるだけですぐ警察が動くことがほとんどありませんが、下記の店は200万円という法外な借用証書を書かせたうえ従業員の親にまで恐喝し、御用となったようです。少し古い記事になりますがご紹介します。
店員を恐喝、風俗店経営者ら3人を逮捕
引用元記事 1999年5月20日毎日新聞地方版
「〇〇署合同半は19日、〇〇市、風俗店経営〇〇、同従業員〇〇、〇〇の3容疑者を恐喝の疑いで逮捕した。
調べでは、〇〇容疑者らは、同市〇〇で経営している風俗店のアルバイト店員が店員間の「恋愛禁止規則」に違反したことに因縁をつけ、違反金名目で金を脅しとろうと計画。今年1月22日に店員に200万円の借用証書を書かせ、さらに店員の自宅で父親に「息子が規則を破った。誠意を見せろ」などと迫って100万円の借用証書を作らせ、同月28日に自宅で100万円を脅し取った疑い。
引用終わり。
キャバクラなどでは風紀違反(店内恋愛)があると、辞める条件として罰金を分割払いで支払うことを約束させ、100万円単位の借用証書を書かせられることがしばしばあるようです。しかし、お金を借りた事実もないのに借用書を書かせること自体が強要罪や恐喝罪になりえますし、ましてや関係のない親からお金を脅しとったとなれば、完全にアウトです。
実際には、親にばれたくないとか仕返しが恐いので警察に行く人は少ないようですが、風紀違反の罰金ルール自体、労働基準法違反で無効になります。経営者もそれがわかっているから、借用書という体裁を取るのでしょう。
ですから、もし借用証書を書かされてしまったら、内容証明郵便でできるだけはやく、お金を借りた事実はないこと、風紀違反の罰金を請求されたが、労働基準法違反で無効であることを通知しておいたほうがいいでしょう。こうした書類は、士業に依頼すれば作成から発送まで代行してもらえます。
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