アダルトビデオ男優を恐喝(報道より)

(2018年1月20日TBS系JNN記事より)

 元暴走族グループの幹部3人がアダルトビデオ男優から200万円を恐喝したとして逮捕されたというニュースがありました。
アダルトビデオ監督、ストリップ劇場の社長ら3人が、38歳男優がAV女優と交際したことに「業界のルールを破った、業界に仕事ができないようにする」などと脅し、200万円を払うよう恐喝した容疑です。なお、一人は黙秘、もう一人は脅したつもりはない、と否認している模様です。

 

業界のルール?風紀の罰金と同じか

 こういうことは氷山の一角で表沙汰になることはあまりありませんが、最近アダルトビデオ業界で女性の出演強要が問題になってきていることから、当局からAV業界に厳しい目がむけられていることも摘発につながった背景にあるでしょう。ちなみに、アダルトビデオ会社も風俗営業事業者の部類に入ります。

 さて、デリヘルやキャバクラなどで、よく従業員同士が交際すると風紀違反で罰金50万円や100万円というお話がありますが、このニュースはこれと同種のものですね。もっとも、アダルトビデオ業界で風紀違反という用語があるかはわかりませんが・・・。

 女優と男優が交際関係になるのは、アダルトビデオの撮影現場ではけっこうありそうなイメージですが、業界的にはNGでしょうね。それは、恋愛や結婚をすると、女優が仕事をセーブしたり辞めてしまったりするからでしょう。キャバクラでボーイがキャストに手をつけると、店の売り上げが下がるというのと理屈は同じです。

 

契約書に罰金があったら有効か

 ところで、アダルトビデオ男優の場合、所蔵会社との間で雇用契約ではなく業務委託契約の可能性があります。その場合、契約書に女優と交際した場合は違約金200万円を支払うという条文があったとしたら、それは一応有効です。ただ、罰金というのは法律的には正しいいい方ではありませんので、業務委託契約書には「〜違約金○◯円を支払う」などと書かれていることが多いでしょう。なお、200万円が男優の報酬に比べて高過ぎれば、契約書があっても一部無効となる可能性があります。

 一方、デリヘルやキャバクラは、上下関係がはっきりしている店が多く、雇用契約(労働契約)にあたることがほとんどです。罰金や違約金のルールは風俗店にはどこにもありますが、雇用契約なら、罰則金を予定する規則は、無効です。とくにキャバクラは、スタッフは店舗で指示を受け、しかも時間で管理されますので、委託契約ということはまずありえません。

 

業界にいられなくしてやるという脅しは?

 ただし、契約書に違約金の取り決めが書いてあったとしても、このニュースのように「アダルトビデオの業界にいられなくしてやる」などといえば、恐喝になります。暴力をふるっても恐喝です。

 罰金を払わないと親に連絡する、学校にバイトをばらす、こういった脅しは、風俗店、水商売ではよくありますね。もし恐喝されたら、誰かに相談するなり警察に行くなりして、すぐにお金を支払わないことが大事です。

よくバックにヤクザがいるのではないかと考えて、いうなりになってしまう人がいますが、こういう問題でヤクザが出てきても、店には何のメリットもありません。また、今の時代、風俗営業店とヤクザが関係していることがわかったら、警察が放置しないでしょう。



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